あいさが目指すこと

 

方針イメージ

あいさの理念 

 精神疾患は誰もがなる可能性のある病気だということは知られているようでまだ十分ではありません。精神疾患により医療機関を受診している患者数は年々増加傾向にあり、厚生労働省はそれまで「4大疾病」としていたがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に新たに精神疾患を加えて「5大疾病」となりました。
 入院期間の短縮のための取り組みがされていますが、それでも1年以上の長期入院患者は20万人を超えています。中には支援体制が整えば、地域で生活ができる人もいるとされており、訪問看護ステーションはそのような方々の地域定着に大きく貢献していけると考えます。
 また、平成30年4月から雇用が義務化された精神障がい者が前年比34・7%増となり、これからは単に精神症状の軽快を目指すのではなく、障がいがありながらもその人らしく生きるためのリカバリー支援も訪問看護ステーションの大きな役割になってきます。
 以上のような役割を果たすためにはステーションの訪問看護スタッフはより高いスキルを求められるようになります。そのような精神医療や地域精神サービスの転換期に、私は20年近く精神科病院で勤務した後、大学教員を経て、念願であった地域精神看護を実践するために訪問看護ステーションを立ち上げることとしました。
訪問看護ステーションあいさの役割は大きく三つあります。

リカバリー支援
「精神疾患や障がいを抱えながらも希望や自尊心を持ち、可能な限り自立し意味のある生活を送ること、そして社会に貢献することを学ぶ過程」といったリカバリーの考え方を基盤に、私たちの目指す支援は利用者さんが、自分自身の目標をもって、自分が望むライフスタイルで、自分自身が選択をして、自分自身の役割を実感できる生活を目指したいと考えています。それを自分だけの力で乗り切ることが困難な時があります。
 一緒に課題を考えてくれる人がいることで、いろいろな可能性を自身で広げていくことができていくこともあります。そのためには一緒に課題や目標を相談しながら、利用者さんが自分で人生の選択をして自分で責任を持つ。一人の人として地域の中で暮らしていく、そのような生活を応援したいと考えています。
精神看護のスキルアップ
 利用者さんのリカバリーは、優しく温かな看護だけで支援できるものではありません。より専門的な精神看護技術が必要とされており、必要な看護は日々進化しています。常に学びながら実践し、そして自分たちの看護をしっかり振り返ることができるようにしていきたいと思います。自分たちのスキルアップを目指すためには、知識を学ぶことが最優先ではありません。利用者さんのリカバリーを支援するためには、病気や症状の回復だけに目を向けず、その方の生活、生き方に目を向けていくことが大切になってきます。利用者さんやご家族との対話の中でどうすればもっとよいケアができるのか学ばせていただき、利用者さんと共に成長できる関係を作っていくことが大切だと考えています。
地域との連携
 訪問看護事業の実施にあたっては、医療機関や行政との綿密な連携を図り、幅広い情報などを共有することにより、地域に根差したサービスに努めます。私たちは独立した訪問看護ステーションのため、病院やクリニックとの医療機関をはじめ、行政機関、サービス事業者、教育機関、就労先となる企業なども積極的に連携し利用者さんを多面的にサポートいたします。
 利用者さんやご家族を地域で支えていくためには、地域の人や支援施設・団体を知り、それぞれの専門性を生かし合うことが必要です。そのために、地域の中では顔の見える関係を作り、お互いがどのような支援を行えるのか話し合いながら連携していくことができるようにと考えています。
また、今までの経験を活かし、精神疾患をもつ利用者やご家族の対応方法について、精神保健福祉に携わる方々、教育や企業の研修の要望にもお応えしていくことで、住みやすい地域づくりに貢献していきたいと考えています。

最後に、地域のみなさまに「あいさと出会えてよかった」と信頼されるステーションを目指し、スタッフ一丸となって邁進する「訪問看護ステーションあいさ」をよろしくお願い致します