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医療支援室より


 7月になりました。今回支援室便りを担当する事になり、何を書こうか
と悩みました。
 実際に自分の中で7月といえば七夕や家族の誕生日しか思い出せる事が
ありませんでした。そこでヒントを求めて、患者様に「7月といえば?」
と伺ってみると、「七夕、海開き、富士山、名古屋場所」と回答がありま
した。七夕の事を考えていると「そういえば、何でだ?」と疑問に思った
事があったので、それを今回は書こうと思います。
 それは、『なぜ、短冊に願いを書くのか?』です。織姫と彦星が年に一
度だけ再会できる日という事は知っていました。今まで当たり前の様に短
冊に願い事を書いてきましたが、その行為自体の意味を知らなかった事に
気づき、調べてみました。
 短冊に願い事を書くのは、乞巧奠(きっこうでん)という中国の宮中行
事です。乞巧奠は琴座のベガと呼ばれる星が裁縫仕事の星ということもあ
り、古代中国では機織(はたおり)が上手な織女(おりめ)にあやかって
織物の上達をお祈りする風習が生まれました。今では織物だけではなく芸
事や書道などの上達をお祈りする日として続いている様です。
 他にも知らなかったことがありました。短冊で使われる“色”について
です。黒(紫)・赤・白・黄・青(緑)の5色が使われるということ。そ
れぞれ意味があり、願い事にあった色に願い事を書くことで願いがかない
やすくなると言われているようです。


・紫(黒)の短冊は、“学業”に関する願い事
 「勉強ができますように」や「テストや受験がうまくいきますように」
などの学業成就。

・赤の短冊は、両親や祖先に“感謝”する事
 「いつもありがとう」や「元気でいてね」など。

・白の短冊は、“規則”や“義務”を守る達成の願い事
 「○○をやる」「寝坊しませんように」などルールを守る願い事。

・黄の短冊は、“人間関係”に関係する願い事
 「おともだちがたくさんできますように」「人見知りが治りますように」
など。

・青(緑)の短冊は、“成長”に関係する願い事
 「○○できるようになりますように」や「○○をなおせますように」な
ど、人間力を高める願い事がいいとされているので、自分の苦手なこと、
短所をなおしたいという願い事。

 他にも“願い先”についてです。「乞巧奠」は、織姫にあやかり、自身
のはた織りや裁縫の上達を願うものでした。つまり、お願い先は織姫とい
うことです。
 こんなにも七夕について知らなかったことがあったなんてと驚きの連続
でした。周りの人にも「知ってた?」と声を掛けてみたいと思います。そ
こで話が盛り上がり、少しでも楽しい時間が過ごせたらなと思います。

作業療法士Y

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