JAPANESE ONLY
神経科浜松病院ホームページ

医療支援室より


 春風の候、うららかな好季節を迎えておりますが、皆様はいかがお過ご
しでしょうか。日照時間が延び気温も暖かくなるこの時期は、年度始めと
いうこともあり、何か新しい趣味や勉強を始めるのに適したタイミングで
あると存じ上げます。そこで今回は、私の趣味の1つである“将棋”に関し
てお話をさせていただければと思います。
 近年、藤井聡太竜王の活躍や、将棋を題材としたアニメ・漫画のヒット
から、各メディアで将棋が取り上げられる機会が増えました。私自身数年
前までは「将棋⇒高齢者の趣味」というイメージを持っていました。しか
しプロのタイトル戦の棋譜を拝見したり、囲いや戦法の勉強をしていくう
ちに、将棋の奥深さにすっかり魅了されてしまいました。
 私が将棋の最も奥深いと感じた部分、それは長い歴史を持つ競技である
にも関わらず、日々定跡や最善手が進化し続ける事です。昨今のAI(人
工知能)の進歩に伴い、プロ棋士が検討に用いる将棋ソフトも目覚ましい
進化を遂げてきました。動画投稿サイト“ニコニコ動画”で開催されてい
たプロ棋士対AIのタイトル戦“電王戦”でも、プロ棋士がAIの繰り出
す奇策に苦戦を強いる場面が多くみられ、最後は当時名人であった佐藤天
彦9段が最強のAI“PONANZA”に敗れる形で幕を閉じました。AI
の強さ、それは全ての盤面を数値化することで人間の感覚・発想では絶対に
たどり着けない一手を導く点であると言われています。これにより、長い
歴史の中で悪手であるとされてきた戦法達が見直され、現代流にアレンジ
された形で再びプロ棋士の対局で蘇るのです。
 以上私の考える将棋の魅力についてでした。最後に色々語っておいて何
ですが、私自身の棋力は素人もいいところです。しかし近年は将棋の楽し
み方も多様化しており、今まで通り自分で将棋を指して対局を楽しむ“指
す将”だけでなく、私のように弱くても対局を観て楽しむ“観る将”とい
う言葉も使われ始めました。将棋と聞くと、何か敷居の高さがどうしても
あるとは思いますが、老若男女問わず自分の棋力に合った様々な楽しみ方
がある競技です。皆さんも是非お気軽に一度駒に触れてみてはいかがです
か。

作業療法士N

上のページに戻る

トップページに戻る